広告配信の事前準備として、商品の購入をしてくれる人がどんな人かを推定するための「ターゲティング」は欠かせません。
配信するメディアの選定やクリエイティブのテイスト、そもそもの広告の効果に大きな影響があるためです。
ターゲティングの具体的なアクションとしては、潜在顧客に対する、
「デモグラフィック分析」と「ユーザーインサイト分析」
の2つです。順番にみていきましょう。
デモグラフィック分析
デモグラフィック(人口統計学属性、デモグラと略します)は、広告を配信する際に、下記のようなデモグラを絞ること(セグメント)により、予算を抑えつつ、訴求力を高めることができる最も重要な要素です。
性別・年齢・家族構成・年収・居住地域・職業 |
データとして取得する場合は、4章で説明したGAを用いて、Webサイト訪問者の詳細な分布を把握することができます。新規開店時や新サービスの開始などで今までと大幅にデモグラが変わってしまう可能性がある場合、先に紹介したsimilarweb、eMark+、帝国バンクといったサービスも利用可能です。
全くデータがない場合でも、店舗の既存顧客から、性別やおおまかな年齢層は把握できます。
メディア選定
メディア選定をするだけであれば、ひとまずはこの程度のデモグラ情報で充分でしょう。
まずは主要メディアの特徴を紹介します。
Google Ads | 検索、DisplayNetWork、Youtube、GooglePlayStoreなどを配信面として持ち、幅広いユーザリーチが可能。 |
ゲーム、アニメなどのコンテンツに親和性が高く、いわゆるオタク層をターゲットとした広告配信に強み。ハンドルターゲティングといった独自のターゲティング手法も特徴的。 | |
Facebook、Instagram、Messengerに広告配信が行える。日本では、InstagramのMAUが多く、Facebookよりも広告効果が高い傾向。 | |
Tiktok | Tziktok、BuzzVideo、Pangleなどの配信面を保有。若年層へのアプローチに有効。 |
Yahoo! | 検索、ディスプレイなどの配信面にてYahooのサービスを利用しているユーザに広告配信が可能。サービス利用ユーザの年齢層が高い(30代以降)傾向にある。 |
各メディアの特徴をもとに、商品との相性が良さそうな媒体をいくつかピックアップして少額で配信を行って効果をみてやっていきましょう。
ユーザーインサイト分析
次に、持ちうるデモグラ情報を深堀りして、仮想の人物(ペルソナ)を立て、「ユーザーインサイト分析」をしていきます。
ペルソナ立てをする際は【ライト】【ミドル】【ヘビー】の3軸でターゲットの解像度をあげていきます。
ここでは、アパレル会社を例にとり、具体的にどんな人物なのか、また、商品への興味・関心・性格(アフィニティー)の特徴をどんどん想像していきます。
ライト | ミドル | ヘビー | |
ファッションへの意義 | ・着られればいいという意識 ・高い服はいらない ・派手なものは自分には合わない | ・服自体は好き ・トレンドは大事 ・自分に似合う服を見つけたい ・プチプラで高見えさせたい | ・服に使うお金は厭わない ・ファッションリテラシーが高い |
興味・関心 | ・ゲーム、アニメなどに興味がある | ・ファッションが第一ではない ・流行りの場所に行ったり、体験をすることが好き | ・ファッションや着飾ることが好き ・おしゃれな空間、モノがが好き |
性格特徴 | ・一度ハマると深い ・好きなことには夢中 ・真面目と言われる ・できるところは節約、趣味には浪費 | ・俗にいうリア充的性質 ・浮きたくない | ・自信がある ・自分をアピールしたい ・目立つことが好き ・認められたい |
年代 | 20代後半 男性 | 20代前半 女性 | 30代前半 女性 |
できあがったペルソナをもとに、消費者の深層心理(インサイト)がどのようになっているのかを想像して拡大します。
ライト | ミドル | ヘビー | |
インサイト | 家にいて好きなことをしたい マイペースに行きたい あまり自信がない 波風を立てたくない どうせわかってもらえない 自分は自分、人は人 チャラチャラしている人は嫌いだ | トレンドにのりたい みんなと一緒がいい 浮きたくない 少し違う自分もアピールしたい やりたいことが多くて忙しい プライベートと仕事のバランスを取りたい | 褒められたい 自分をアピールしたい モテたい 可愛いと言われたい かっこいいと言われたい いいねをいっぱいもらいたい 人と違う自分が好き 私らしくいたい サブカル、流行に詳しい 自分が好き |
推定・分析したデモグラやユーザーインサイトは「オーディエンスセグメント」して使うこともできます。
これは、広告配信先の絞り込みのことで、適切に設定することで、配信の効率と費用対効果を上げることができます。
広告作成画面