情報のアイキャッチ性・ATF
マーケティングにおいて、店舗側から見た情報価値とは「いかにお客様に訴求できたか」、ということに尽きると思います。
訴求力とは、閲覧数と情報の質のかけ算で、どちらかがゼロであれば、訴求力もゼロです。
訴求力 = 閲覧数 x 情報の質 |
なんでもいいから閲覧数がほしい!と思うのも当然の心理でしょう。
しかし、SNSのフォロワー数と同じように、閲覧数は一朝一夕にして積み上がるものではありません。
認知をしてもらうプロセスがまずは必要ですが、広告を打たない場合は、
自分で潜在顧客に認知を促す必要があります。
ここで、1枚の写真をごらんください。
高速道路上の写真ですが、自然と奥のマンションの屋上に歯科医の広告看板に目がいってしまうのではないでしょうか。
わき見運転は禁物ですが、ターゲットである高速道路のドライバーに一瞬で認識されるよう「インプラント」というたった1語だけのPR文になっています。
こういった、ひとまず目に入れられる状態であることを「アイキャッチ性」といいます。
また、デザイン力はさておき、嫌でも目に留まるような独特な色使いや、不明な人物が誰なんだと気になってしまいます。
このような一瞬見ただけで魅きつける力を、「アトラクティブ性」と呼びます。
閲覧数 = アイキャッチ性 x アトラクティブ性 |
まだ認知されていないものを、次のステップであるPRに導くには、アイキャッチ性とアトラクティブ性の両輪が必要で、これもまた、どちらかがゼロであれば全体もゼロとなってしまうでしょう。
ところで、ATF(Above the field、Above the Fold)、またはFirst Viewという言葉をご存知でしょうか。
これは、ウェブサイト等で、スクロールせずにも表示されている領域を指します。
自社のウェブサイトの構成にも応用でき、ATFがどこまでの範囲で、その中にどれだけ重要な情報を入れこみ、かつ飽きさせないでアトラクティブなものを置くか、といったことを考えることができます。
まだ認知されていないものが最初にカスタマーの目に触れる機会は、現代では、広告を除けば、ウェブ検索の結果がおそらく多いでしょう。
例えば、カレー店を新規開拓したいと思っている人が、「おいしいカレー」をGoogleの通常検索すると、結果の店舗の位置情報とそれらの店舗情報(ローカルパック)が表示されます。
ATFにおいて表示されるのは、検索結果上位3件の店舗情報のみですが、仮にこの大きさの表示を広告で打つとなると、かなりの予算が必要です。Mapでは、キーワードに対応する検索順位が高ければ、このように無料で、かつ自動的に大きなアイキャッチ性のもとで表示がされるという、黄金枠として「パック3」と呼ばれています。
ただし逆にいえば、上位3位に入らなければ、ATFに食い込むことはできないということでもありますので、あらゆるキーワードでパック3に入ることを目指しましょう。
パック3であってもなくても、ワンクリックで次のようなローカルパックが表示されます。
閲覧数は、アイキャッチ性とアトラクティブ性のかけ算でしたね。
ローカルパックで最初に表示されるのは、
名称・レーティング・クチコミ数・店舗特徴・カテゴリー・住所・クチコミ抜粋・カバー写真・営業時間(モバイルのみ)
の9点です。
そのうち、おいしそうな写真や行ってみたくなる店舗名には、確実にアトラクティブ性を持たせる必要があります。
カスタマーの評価に関わるところは、自分ではどうしようもありませんが、レーティングは特にアトラクティブですし、クチコミの抜粋にも目がいくのではないでしょうか。
同じワードをMapでも検索(または地図タブをクリック)してみましょう。
地図上には無数の店舗が店舗名とレーティングともにピンで表示されています。
店舗型ビジネスにおいては、潜在顧客がロケーションも重視するため、このピン表示もATFでの視認としてカウントすることができます。
また、コンテンツまで見なくても「こんなところにカレー屋あるんだ」とか「ここは少し遠いけどレーティングが良いから行ってみよう」というようなアトラクティブ性も期待できます。
このように、Mapにおいて閲覧数を高めて認知されるためには、掲載順位を上げるか、アイキャッチ性とアトラクティブ性を高めるかの2択であり、Mapにおいて、地図上のピンとして表示されるだけでも、非常に大きな意味合いがあると言えます。